「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」と、古く良き時代の美しい日本女性を花に例えた言葉がある。その、美しい花「牡丹」を尋ねた。4月29日祝日、町田ぼたん園は多くの人で賑わっていた。敷地、16.000m2、東京ドームより少し大きい。現在、331品種、1730株の牡丹が咲き誇っている。
園内は網の目のような通路が張り巡らされ、全ての花に名前のプレートがつけられているが、あまりの多さに頭がついていかない。
歩き疲れ、花の名前で混乱した頭を癒すため静かな場所でお弁当にした。やはり、「花よりダンゴ」と言ったレベルなのか。
洋風の花、チューリップ畑なら、広く青々とした芝生の背景がベストだが、日本美人の花、牡丹には日本庭園が似合う。色鮮やかな花の中に、くすんだ色の山門や建屋が配置され、日本人にしか分からない暗号のような「ワビサビ」を感じる。日本に生まれ、今、ここにいることの幸せを思う。
広い園内には、子供達の走り回れる広場がある。5月の鯉のぼりが元気よく空を舞う。お母さん達には、薄紫の藤棚の花が日陰をつくる。一人、500円の入場料は決して高くない楽しい一日だった。